電動アシスト付自転車(E-BIKE)の未来図(前半)
- 自転車
おはようございます!こんにちは!こんばんは!
(‘◇’)ゞ
ちいさな自転車家のスタッフKです。
相変わらず(主にTwitterばかりなので)不定期な掲載のブログですが、
これはちょっと記事にするしかないと久しぶりの執筆です。
ここ最近、自店のこと以外にメーカーのサポートメンバーとしてお邪魔することがちょこちょこ…
役得と思いながらお手伝いしております(笑)
先日は東京で開催されていたサイクルモードTOKYO2023に某ブーススタッフとして参加してきました。
あまり知られていないかもしれないけど、自転車も「サイクルモード」という
車で言うところの「モーターショー」のようなものがあります。
正直、値上がりやコロナ影響の生産不安定、ユーザー離れでパッとしないイベントになりましたが…(オイ)
その中でも電動アシスト付自転車(E-BIKE)は目覚ましい変化が見られています。
そこから垣間見える、近いうち実現されるだろう自転車の未来図をご紹介していきます。
まずはこちらから
実はこちら、水素を燃料で走る電動アシスト付自転車になります。
車と違うのは水素を燃料にして走るというよりは、水素で発電して充電し、走る、という形になります。
凄いですよね!
こちらが水素生成器で、家庭コンセントに繋げて水道水を200mlいれれば、
約200Lもの水素を生成するそうです。
非常時は専用の太陽光パネルを設置すれば、コンセント要らずで生成できるそうです。
横にある緑色のところが水素タンクになっており、そちらを取り外して自転車へ取り付けます。
どうやらもう実用化されてるみたいなんですよね~。
これの最大のメリットは汎用性の高さだと思います。
水素ボンベを差し替えればすぐに使えるので「充電を待つ」という手間が省けます。
なのでシェアリングなどはこちらのサーバーを用意すれば、常に新しいのを
使えるようになるかと。
更に言うならば、規格統一を図ればどんな自転車にも採用できますし
何よりも自転車以外に利用しない手はないです(笑)
問題点は洗い出せばいくらでも出てくると思いますが
何よりも汎用性、利便性を考えれば十分に採用する余地はあると思うんですよ。
お次はこちらです
分かりにくいので赤丸を付けてみましたが
こちらが電動アシスト付モーターになります。
「いや、普通じゃん」
って言われそうですが、こちらは後付けできるタイプなんですね。
こちらは先日発表された自動車やバイクで有名なHONDAさんが手掛けたシステムになります。
最大のメリットは既存の自転車を電動アシスト付自転車にすることが出来る、です。
SmaChariというブランドでKhodaaBloomの車体に取り付けてY’sroadさんにて独占販売されます。
これに関しては色々と思うところがありますが…(怒)
零細企業はお呼びじゃないってことで諦めましょう(笑)
これについて少し説明をしますと、自転車のパーツの中にBB(ボトムブラケット)というパーツがあります。
このようなパーツがママチャリからスポーツ自転車までほぼ採用されており
多くは統一された規格で作られているんですね。
※画像はライトウェイさんより転載
抜き取った自転車側はこんな感じです。
この規格に合わせてモーターを吊るすように設置することで、専用設計に依存することなく
汎用的に後付けモーターできる仕組みになっています。
※Y’sroadさんより転載
左側が吊るし止めしたモーターで、右側がバッテリーになります。
実はこのようなシステム、既に他国でも展開しており、今回のサイクルモードにも参考出展されておりました。
これについての総括は最後に書くとして、残りの出展をいくつかご紹介
クラファンや新興ブランドで見るデザインが大体ラインナップされておりました。
興味があり1度でも調べたことがある人なら「見たことあるかも?」ってなりますよね。
どれもデザイン性がここ数年で大きく洗練されてきており、カッコ良さだけならば
十分にどれも魅力的です。
あの有名なMATEさんも実は今回出展されておりました。
特に多くラインナップされていたのはMATEを含むファットタイヤ(バイクのような太いタイヤ)タイプ
こういうタイプが非常に多かったです。
どうやら欧米で人気が高いみたいですね。
どうですか?
国内で電動アシスト付自転車というとママチャリという感覚が強いですが、
(もちろん国内でもスポーツタイプが増えています)
世界的にもE-BIKEという新ジャンルでデザイン性の高い自転車が増えています。
背景にはサスティナブルやらカーボンオフセットというのがあるようで
色々なものを「電気で動く世の中」というものにシフトしていくようです。
もちろんこれに関しては色々と問題はまだまだありますが
少なくとも世界では日本を置いて進み出している印象が見受けられました。
さて、こういった新興ブランドが国内外で増えるにつれて、国内で問題になるのが
「型式認定」という日本国内が定める独自のルールになります。
ざっくり説明すると
1.アシストは24km/hまで
2.アシスト比率は1(人力):2(アシスト)まで
3.アシストは10km/h以上から徐々に減衰しなければならない
この3つが主な内容になります。
海外でもこういった制限はありますが、国ごとに違い
30km/hまでのところや1:3のところ、アシスト出力の規制などがあります。
「3.」の項目が最も日本独自のルールで、こちらをクリアできないのがかなり多いかと。
なかなか新興ブランドや海外メーカーが浸透しないのはこのためなんですね。
この型式認定ですが、2点厄介なことがあります。
1.そもそも型式認定は強制義務ではなく任意
これはどういうことかと言いますと、先の3点は法的に規制されていますが
型式認定はあくまでもそれを証明するための手段であって、
必ず取得しなければならないものではない、という事です(笑)
「??????」
こうなりますよね。
要は3点を守ってれば型式認定は無くても国内販売しても良いという事です(オイ)
なので
「ウチは守ってますよ~」
っと言ってしまえば、型式認定などなくとも国内販売は可能という事です。
たまに抜き打ちで検挙されたり、事故後に検証でバレたりするだけで…。
今回のサイクルモードでの出展ブランドも、取得未取得と色々ありました。
中にはすでに怪しいメーカーも…。
2.車両別に型式認定の取得が必要
企業単位で1つの取得ではなく、1モデルにつき1つずつ取得しなければならない。
まぁ、これは当たり前なんですよね。
ただモデルチェンジをしたりする時には再取得が必要ですし、
後付けタイプなんかは、これのせいで汎用性が失われます。
未収得車両が多い原因としては取得に当たり検査代が非常に高価
このため、取得分をユーザーに転嫁せざるえません。
加えて欧州規制から日本国内規制に合わせるには先の3.が
細かいデチューンを求めてきます。
もちろんその価格もユーザーに転嫁しなければなりません。
ただでさえ高価な車体に更に価格を上積みなければならないのは
メーカーにとってもユーザーにとっても非常に都合が悪いわけです。
これが今国内で抱えている電動アシスト付自転車の問題点と言えるかと思います。
電動アシスト化は、おそらくこの後もさらに進んで普及していくかと思います。
「汎用性」というものを考えれば、先に紹介したSmaChariは今後の主流になると言っても
過言ではありません。
ただし、これには型式認定の既存のルールが邪魔をしています。
これを打破するのがおそらくAIになっていくのではないかと。
AIを搭載することで、車両のスペック状態から任意的に法規制の出力になるようになれば
型式認定を電動アシストユニットの出力とAIのみを検査にかけるだけで済みます。
近い未来、乗りたい自転車が簡単に電動アシスト化できる日が来るかもしれませんね。
次回ブログは「電動アシスト付自転車(E-BIKE)の未来図(後半)」になります。
主に最後に触れたAIについてです。
実はすでに搭載されている車両があるんですね!